MCSはアナログ増幅回路の性能を良くする技術です。このMCS技術はMMBやMDSと同様に、動作回路を並列接続して一つの回路で動作するときよりも多数回路を並列運転することにより、性能改善をさせたものでその効果はMMB・MDSと同様に その効果は絶大です。
MCSの動作原理
図1はこの原理図で、初めて搭載されたCX-260のものです。CX-260はサラウンド用プリアンプとして開発されたものですが、6チャンネルある回路をステレオ動作(2チャンネル)するときに残りの回路(4チャンネル)を未使用にすることなく3回路並列動作したものです。
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回路の歪み率やSN比はそれぞれの回路独特のもので、特性はお互いに関連がない非相関と考えられます。するとMDSと同様に出力合成部分で並列個数分の開平(n個なら√n)の改善が得られます。これは単に能動素子(トランジスターやFET)を並列するものではなく回路自体を並列接続にするところがポイントです。
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図2はP-3000の回路構成です。点線で囲んである部分がMCSで、二つの回路が並列されていることが分かります。素子の並列とは全く異なる動作で、この回路の終段出力部にはトランジスターが並列接続されていてます。これは電力を強化したり出力インピーダンスを低下させる目的で、主にパワーアンプなどで行われる手法です。
このようにMCSはSN比・歪み率の大幅改善があり、プリアンプ・パワーアンプなど多方面に応用されています。
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